5月 2010 のアーカイブ
リビングの天井
2010年5月31日冨山城北の丸跡崩壊寸前
2010年5月30日中心市街地活性化法への疑問
2010年5月24日中心市街地活性化法は略称でありまして、正式には「中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律」であります。
この法律は、空洞化の進行している中心市街地の活性化を図るため、地域の創意工夫を活かしつつ、「市街地の整備改善」「商業等の活性化」を柱とする総合的・一体的な対策を関係省庁、地方公共団体、民間事業者等が連携して推進することにより、地域の振興と秩序ある整備を図り、国民生活の向上と国民経済の発展を図ることを目的としています。
これは、中心市街地を一つのショッピングモールと見立てて、都市基盤の整備改善と商業等の活性化を柱とした、ハード、ソフト両面にわたる諸施策を関係省庁が連携し、重点的に中心市街地の整備を図ろうとするものであります。
この説明によると、商業の停滞に対する打開策となっていますが、都市の空洞化により夜間住民が少なくなり防犯上好ましくなく、また郊外に住宅が無秩序に拡散し、さらに大型店舗が乱立したため、行政コストが大幅に上昇するなど不効率な都市、地域が誕生してしまたことによります。さらに高齢者が増加している時代にバリアーフリー都市形成に適していると理由付けされています。
はたしてそうでしょうか、特に岡山市は広域的な主として岡山平野に形成されています。山林を切り開いた都市でなく稲作の水田に広がった都市であり、気候的に温暖な地域です。
住宅(屋敷)面積は世界標準では1000㎡ですし、島国の日本ではそれに達していないまま、特に江戸の下町狭小住宅等に代表されるような生活に適さない住宅や文化住宅、公団住宅と称してそれの流れがマンションに継がれ格安マンションとして続々と建てられています。エコ住宅として推奨されているのは300㎡の住宅の前庭に200㎡の家庭菜園、裏庭に200㎡に果樹園をそなえる合計700㎡相当の屋敷が理想とされ計画・模索している地域があります。
都市の象徴として高層ビル・マンションが争うように建てられてますが、はたしてそれが住みよく、効率的な都市でありましょうか。欧米の大多数の都市に高層住宅は少なく、秩序よく、緑が多く配置された都市となっています。アスファルトとコンクリート、住宅、ビルに埋め尽くされた都市は限られています。
都市・住宅ともに戦後復興のスクラプビルトが繰り返されています。本来の岡山の有利性を見出し、既存に整備された交通網を有効に利用すること(例えば山陽本線、伯備線、津山線、吉備線、瀬戸大橋線、水島臨海鉄道など)こそ、思想的都市再生ではないでしょうか。
北長瀬駅北口水路の清掃
2010年5月23日植物による水路管理
2010年5月18日春祭り
2010年5月17日富士山の雲
2010年5月16日墓地傾斜整地
2010年5月9日北長瀬共同墓地管理規則
1.組合員は、管理費として年500円を納入する。
2.お供物は、速やかに持ち帰ること。
3.掃除の献花・草などは、持ち帰ること。
4.除草・清掃に勤めること。
5.墓地には、樹木を植えないこと。
6.墓地を工事する場合は、連絡すること。
7.使用権は、区割面積とし、むやみに盛土しないこと。
日吉宮の元の場所
2010年5月8日大川の東の田圃中にあったお宮を新幹線基地の新設に伴い、昭和45年に現位置(北長瀬駅前)に移築した。ちびっこ広場と共に祭りなどで町内の中心となっている。
この日吉大社が京都の表鬼門に当たり、京都御所の鬼門「猿ヶ辻」と呼応し合っています。
さらに国家鎮護・方除けの神として祀られ、天台宗の比叡山延暦寺の護法神・加護神としても祀られています。
躍らされる政治家
2010年5月5日拙速な地球温暖化対策を憂える
Makoto MISONO 御園生 誠 東京大学名誉教授日本化学連合会長
科学者と社会
科学者が(技術者,人文・社会科学者を含めて),社会から敬意を払われ仕事の機会を与えられる根拠は「社会への貢献」と「倫理性」にあると考える。したがって,専門性を活かした判断や判断基準を社会に提示し,社会に正しい選択を促すことは,科学者の社会への重要な貢献であり,倫理,責務でもある。 その意味で,地球温暖化の問題は,科学者がその存在価値を示すよい機会であろう。なぜなら,気候変動に関する政府間パネル(IPCC)報告に見られるように科学者の影響力が大きい上,人類の行方を決めかねない重大な問題だからである。
対策のコストパフォーマンス
電気自動車はCO2削減効果があるか?
次に,CO2削減技術を、 コストパフォーマンズの面かも検証する。太陽光発電で電気自動車を走らせれば,すぐにでも低炭素社会が実現すると思う向きもあるようだが,それは幻想である。「量的関係」と「時間軸」が間違っている。そのことを数値で示して,対策の優先順位について合理的な判断をすべきことを訴えたい。具体的対策のないまま,高い目標がもてはやされる風潮を見るにつけ一層そう思う。まず,量的関係であるが,現時点で,太陽光発電は世界のエネルギー消費量の0.01~0.02%を占めるに過ぎない。日本でも0.1~0.2%。日本で数十倍にしても,正味のエネルギー供給量もC02削減量も世界で見れば大した量にならない。それに引き換え,新興国全体で今後25年間に見込まれる排出量の増加は,日本の総排出量(世界の5%弱)よりひとケタ大きい(中国,インドの例を図に示す)。
次にコストパフォーマンスを考えてみよう。太陽光発電はCO2排出が1kWh当たり53gで、電力平均の420gに比べはるかに少ない。しかし、発電コストは約 45円で(風力発電は約12円)、電力平均の約7円より ずっと高いので,C021トンの削減コストは,(45-7) 円/(420-53)g≒10万円/トンになる。さらに、太陽 光発電が普及すると、供給電力の平準化のため蓄電設備が必要で、そのコストは太陽光発電コストに匹敵すると言われる。仮に半分とすると約10+5=15万円。 排出権取引相場が現在1トン約1,500円だから、その100倍である。他方,原子力発電のコストは電力平均 より安い。評価が難しい廃炉、廃棄物処理などを加えて,削減コストは排出権相場程度であろうか。
このように太陽光の利用は将来的に期待したいが,大量普及するには現有の技術は未熟だと言わざるを得ない。拙速な普及より,21世紀後半の普及を目指して基幹的な技術の革新に力を注ぐべきである。
次に,電気自動車の例として、電池だけで走るアイミーブを考えてみよう。担当する軽自動車は10万km走るとガソリン約5,000 L (ガソリン代約50万円)を消費し,C02を約12トン排出する(ガソリン1Lから2.4 kg排出)。アイミーブではこれらが節約できる。しかし,10万km走る電力のために発電時にC02が約4トン排出される。予定価格が約460万円なので,軽自:動車との価格差は約350万円(高価な理由は大量に積むリヂウムイオン二次電池)。これでCO2削減コストを計算すると,40万円/トン以上になる。他の削減手段に比べてはるかに高額である。
これに加えて,製造時のC02排出がある。価格から考えてその量は相当大きい。日本のGDP約500兆円に対し約13億トンのC02が排出されるので,単純に言えば,350万円の価格差は約9トンのC02排出に相当する。もし、この値を採用すると、C02排出量はアイミーブの方が大きくなってしまう、(製造業の平均排出量だとさらに大きい)現段階では,削減効果から見ても優先すべき対策とは言えない。太陽電池と同様,じっくり技術革新(特に蓄電池)に取り組めばよい。蓄電技術は,変動する自然エネルギーの利用にも不可欠である。いずれも化学の出番が多い。
同様に、削減コストは、安価なブラジルからの輸入バイオエタノ–ル、先代プリウスともに約4万円/トンと試算される。もちろん,これらは,およその値で,かつ、将来は安くなる可能性がある。また,大量普及によっても変わる(増減両方の可能性)。
環境の維持にどのくらい費用をかけるのが妥当なのか。また,経済性だけで判断してよいのか,などの問題は残るが、あまりにコストの高い対策は優先順位を下げた方がよい(通常,C02排出量はコストとともに増加)。他の諸対策についても同じようにコストを試算して北較することが有益であろう。
コストパフォーマンスの議論は机上でやっても埓が明かない。実績に基づいて決着をつけるのがよい。ちなみに知人のオール電化住宅では,15年前に設置した太陽光発電設備の15年間の実績が,買電量:発電量:売電量≒10 :3 :1だそうである。
化学と工業Ivol.63T5 Moy 2010