講演会
いのちを守り環境に優しい農業と食べ物のすすめ
健康と環境はこれからの生活や産業のキーワードであり、この面での活動の最前線で活躍しているリーダーのお話や、研究開発者の最新情報を公開していただき、現状を伺い、未来を見つめ直す機会として、次の内容で講演会を開催します。
参加無料
平成22年6月24日(木)14時20分~17時
岡山国際交流センター
岡山市北区奉還町2-2-1
プログラム
14:20~15:30 講演1:「いのちを守る農業と食べ物の原点と未来」
講師:大地を守る会 国際局顧問 小松光一氏
肩書き:法政大学キャリアデザイン学部 講師
出身都道府県:北海道
生年(西暦):1943
現住所:東京都
主な経歴:
1966年 千葉県農村中堅青年養成所(千葉県農業大学校)
1989年 現職
上記肩書き以外の「主な役職」:大地を守る会顧問
■お話のジャンル・領域
<食文化>食文化_日本、食文化_世界、スローフード<農>有機農業、地域農業システム、生活文化・農村文化、地元学
■メッセージ
1.都会こそ食糧自給すべきである。生活の変化によって都会は大きく外部化と依存をすすめてきた。あらためて、そこからフィードバックし、自ら耕作し食べるという自給をめざすことが大事なのではないか。畑も水田も充分にある。
2.“日本農業”とかいう大きなことはいわず、自分たちの手持ちの個性、地域から出発し、小さな個性的な自給をベースにしたくらしを日本の農村はすべきではないか。
3.そのとき大事なのは、共同性にもとづく政治の自給である。農家のための農政ではなく、農家による農政が求められている。
それを生み出す方法として、ワークショップを提案したい。
4.いま、日本は大切なものを外部化してしまい、精神的空洞化にあるといえる。リアリティを失っている。アジアの村こそが、いま私たちにのこされている唯一のリアリティである。日本のこどもたちや若ものをアジアの村に投げこみ、アジアで育てることを提案したい。
5.食の原点もまたアジアにある。アジアは一汁一菜一飯の地域である。この食のありようこそスローフードである。あらためてアジアのスローフードにまけない日本の食文化をとりもどしていくことが大事なのではないか。
■主な著書・雑誌記事等
· 『自給と産直で地域をつくる』 農文協 · 『若きドンファーマへのメッセージ』 農文協 · 『山間地農村の産直革命』(共著) 農文協 · 『進化にむかう日本農業』 家の光協会 · 『北タイ焼畑の村』 三一書房 · 『おもしろ農民への招待状』 農文協
15:30~16:30 講演2:「飛ばないテントウムシと環境に優しい害虫防除法」
講師:岡山大学農学部 教授 宮竹貴久氏
経歴
- 1980年 – 高槻高等学校を卒業。
- 1984年 – 琉球大学農学部農学科を卒業。
- 1986年 – 琉球大学大学院農学研究科昆虫学専攻修士課程を修了。
- 1987年 – 沖縄県庁・職員となる。
- 1990年 – 沖縄県農業試験場研究員となる。
- 1996年 – 九州大学・博士(理学)学位を取得。
- 1997年 – UCL:ロンドン大学・生物学研究室・客員研究員となる。
- 2000年 – 岡山大学農学部の助教授となる。
- 2001年 – 日本応用動物昆虫学会奨励賞を受賞。
行動・生態・進化というキーワードを基本にして,様々な環境に現存する生物多様性の謎解きに挑戦します.主に昆虫や小動物を対象にして生物の形質が多様な環境条件のもとで自然選択や性選択を主な要因とする進化プロセスによって形作られたという視点から環境と生物集団の相互作用を研究します.とくに環境変動が生物の形質に及ぼす影響について実験進化を用いて解析します.種分化,性の起源と対立,生活史進化,行動の遺伝など環境生態学の未解明な問題について進化生態学の視点から基礎と応用に及ぶ研究を行います.
飛ばない天敵テントウムシを利用した効率的な害虫防除に関する基礎研究
近畿中国四国農業研究センターで開発された飛行能力を持たないテントウムシを安定して使用する方法について研究している。この天敵ナミテントウは飛べないことで個体の行動範囲が狭まり害虫のアブラムシを効率的に食べるため、農作物被害の軽減に向けた実用化が期待される。実際に露地ナスに飛べないテントウムシを放飼すると、飛べる通常のテントウムシを放飼した場合に比べて、圧倒的に優れた防除効果を示した。すなわち、通常のナミテントウを放飼した栽培地では1カ月後、アブラムシの数がナス1葉当たり30匹ほどに達していたが、飛ばない個体のケースではほぼゼロであった。しかし、天敵を育種すると一般に近交弱勢や形質間のトレードオフによって、増殖天敵の品質の低下が見られる。近畿中国四国農業研究センターや域内府県の農業研究センターと共同で、天敵の品質劣化の防止技術の開発に取り組んでいる。
予算獲得状況
1) 平成20年度 新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業 (共同研究者: 2008-2010)
研究代表者: 世古智一(近中四農研)
[編集] 著書ウリミバエの体内時計を管理せよ! -大量増殖昆虫の遺伝的虫室管理ー、伊藤嘉昭 編、不妊虫放飼法:侵入害虫根絶の技術. 海遊舎 2008 時間のすみわけによる生殖隔離、清水勇・大石正 編、リズム生態学 体内時計の多様性とその生態機能. 東海大学出版会 2009
16:30~17:00 質疑・意見交換
17:20~ 交流会(会費制)
主 催:特定非営利活動法人 中国四国農林水産・食品先進技術研究会
共催:農林水産省 社団法人農林水産先端技術産業振興センター
問い合わせ、参加申し込み:
特定非営利活動法人 中国四国農林水産・食品先進技術研究会
岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学農学部3号館102号室 TEL:086-237-3340 FAX:086-201-0551 Email:agri@key.ocn.ne.jp 6月17日(木)までに事務局宛、ご連絡願います。